身内に不動産を売却する場合、たとえば親は子に「できるだけ安く売ってやろう」と考えます。
しかし不動産を低価格で売買するという行為は将来の相続税から逃れる行為とされ、みなし贈与と呼び、税務署はこれを厳しく取り締まります。
身内同士での不動産売買はこの点が要注意となります。
社会通念上著しく低い価格
国税庁は、不動産売買価格が相場と比較して著しく低い価格である場合を問題にしていますが、その基準は明確にされていません。
国税庁のHPによると『著しく低い価額の対価であるかどうかは、個々の具体的事案に基づき判定する』とあり、線引きを明らかにしていません。
例えば、3,000万円が相場とみなされる土地を親子間で2,000万円で取引すれば、差額の1, 000万円がみなし贈与とされます。しかし、これが2,500万円ならどうか?などの判断は誰にもできません。
みなし贈与と疑われないようにするには
税務署の調査が入る際にこの点を指摘されると、本来の贈与税にプラスして追徴課税のおそれもあります。この場合、贈与を受ける側が贈与税を納付することになります。
『知りませんでした』『悪意があってしたことではありません』と事実を説明しても残念ながら許されるものではありません。
あらかじめ税務署へは売買価格が妥当な取引価格であったことを説明できるように準備しておく必要があります。
・不動産鑑定士の査定を用意し、その査定額に従う
・不動産会社数社の査定額を集めておき、その平均値の85%以上で取引する
・その年の路線価を調べておき、路線価より高い価格にする
路線価については注意が必要です。路線価より少し高い価格を利用しても、『みなし贈与に該当しない』とは言い切れないからです。あくまで目安とお考え下さい。
いっそ税務署を訪問し、ざっくばらんに相談するのが一番です。その際、日時と担当者の名前をその場でメモしておくようにします。ご連絡をいただきましたら、当社でもご一緒に税務署へ相談のための同行訪問を承ります。気兼ねなくご連絡ください。
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