会計検査院が「住宅ローン控除はおかしいんじゃないか」と目をつけ始めたようです。控除額がローン残高の1%というのが今の基準。購入時から13年間にわたって控除を受けられます。
考え方としてはローン残高が5000万であれば、50万円。買った住宅の種類によりますが上限は40万円。それが13年間受けられるということなので、40万円×13年間=520万円分の税金を払わなくてよいというわけです。
個人が、 2019年10月1日~2020年12月31日までの間に、消費税率10%の住宅を取得し、取得年の12月末までに自己の居住用に供した場合、住宅ローン控除の控除期間が、原則10年から3年間延長され13年間になります。消費税引き上げ2%相当額を、11年目から13年目の3年間で控除できる制度です。
この制度の趣旨は、住宅購入者の税負担を軽減しようというものですが、逆にそれで儲かってしまう人がいるのを会計検査院が問題にしているわけです。何故かというと住宅ローンの金利が、年利0.75%、なかには0.45%ぐらいが目につきます。そういう人たちは、住宅ローンの金利を支払っているよりも、税金で得する方が大きいという事になる訳です。つまり住宅ローンを組んで住宅を買った方は、国からお金もらっているのと一緒ということで、「それおかしいやろ」というのが会計検査院のご指摘です。
税務署で調べたら金利1%以下で借りている人の割合が、全体の8割に達したというような記事もありました。元本返済があるので、40万円税金が戻ってきても、実際に支払っているローン返済は 年間に100万円とか150万円とかを払っています。それでも金利分よりも大きな住宅ローン控除を受けられるというのは非常に大きなメリットで、この逆ザヤを期待している賢い人たちが結構多いわけです。
これまで国の制度と言うのは、「一般人は住宅を買いなさい」「色々と優遇してあげるよ!」という考え方で、1960年代から一貫しています。毎年夏から秋にかけて、政府は税金の仕組みを見直し、年末までに変更点をまとめて、翌春に国会で法律として成立させる。これが税制改正のながれですが、今の住宅ローン減税の特例制度は2020年12月31日に期限を迎えます。住宅販売に関わる私達も今後どのように変化するか注意深く様子見の構えです。
今回の指摘を受けて、財務省は住宅ローン控除の見直しに着手したいとしています。住宅ローンの金利が下がっているので、住宅ローン控除の金額も下げるべきだとの意見が財務省内の総意となっています。与党内での綱引きと最終的には新政権の判断次第となります。仮に控除率の見直しがされたとしても、すでに適用を受けている人は対象にはならない見通しだというので、マイホームの購入を検討されている方は、価格交渉の結果が理想に近ければ、年内の住宅購入がローン控除の点からもよいのではないかと考えます。
「国の政策が100%完璧に設計されていないじゃないか!けしからん」と議論するよりはむしろ、いつの時代でも賢い人はルールによって生じるひずみを有効に活かしています。
したがって賃貸住宅に住み続けて家賃を払い続ける人との差は開くばかりで、それを「格差が問題」といっても仕方がない気がします。合理的に行動する事が好きでない人もいるからです。
一方で、ここまで読みすすめていただいて内容をご理解いただける方、そして私たちを必要として下さる方のためには、私たちは全力でお手伝いさせて頂く事をお約束します。その方の身の丈にあった範囲をお知らせしながら、幸せになる権利を自ら掴もうとする方に幸せになってもらいたいからです。
Yes!不動産 代表 松田 貴志
https://baibai.yes-fudousan.com/company
2020年10月3日