「手付」とは
手付金は、契約の締結に際して買主様から売主様に手付として交付される金銭で、契約締結時に実際に授受されることが必要となります。
手付金の額は当事者様の合意により定めますが、一般には売買代金額に対し10~20%であることが多く、宅建業者が売主の場合には、宅建業法により手付金の額は売買代金の20%以内と決められています。
手付には解約手付としての効力があるため、あまり少ない手付金では契約の効力を不安定にしますし、あまり高額なものは手付解約することが事実上できなくなります。
手付金は売買代金の一部と考えられがちですが、残代金支払い時に売買代金に充当するまでは、売買代金の一部にはならない事に注意が必要です。この点で手付金は中間金、残金とは法律上の性格を異にします。
解約手付
解約手付とは、手付に解除権留保の手段としての意味合いを持たせるもので、手付の授受があれば、売主様は受領済みの手付金の倍額を支払い、買主様は支払済みの手付金を放棄することにより、理由のいかんを問わずに売買契約を解除(手付解除)することができます。
手付解除ができる時期
手付解除ができる時期は、契約の相手方が契約の履行に着手するまでの間とされています。履行の着手とは、客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、または履行の提供をするために欠く事のできない前提行為をした場合とされています。手付解除ができる時期は民法の規定よりも短くすることが可能であり、手付解除を一定の日までに制限したい場合には売買契約書にその日を記載します。ただし、売主が宅建業者の場合には、買主様が手付解除することができる時期を民法の規定よりも短くすることはできません。
手付解除の方法
手付解除の方法は、買主様から行う場合と、売主様から行う場合とで異なりますので注意が必要です。また、後々に紛争の原因とならないように、手付解除したことを双方で確認しあう書面を取り交わしていただきます。
・買主様から手付解除する
買主様からの手付解除は、支払い済みの手付を放棄したうえで売買契約を解除する旨の意思表示をするだけで可能です。手付解除ができる時期には制限があるので、いつ手付解除をしたかを明確にするために内容証明郵便等で解除通知をしていただきます。
・売主様から手付解除する
売主様から手付解除をする場合には、売主様が買主様から受領している手付金の倍額を買主様に対して提供を完了していただいたうえで解除する必要があります。ただ単に、売主様から買主様に対して内容証明郵便等で「受領済み手付金100万円の倍額を支払って手付解除をする。ついては、送金先口座を連絡してください」という通知をしただけでは、手付解除の効果は生じません。手付の倍額についてまだ買主様に提供していないからです。
宅建業者が自ら売主の場合の手付に関する規制
- 業者が受領できる手付金の額は、売買代金の20%以内
- 手付がいかなる性格のものであっても、手付解除が認められる
- 民法の規定より買主に不利な特約は無効となる
- ✅手付金について解約手付性の否定
- ✅履行の着手以前の手付解除期限の設定
- ✅手付金以上の金額を支払わないと、買主は解除できない旨の特約
- 次の場合、金融機関等による「手付金等の保全措置」を講じた後でなければ受領することができません。なお「手付金等」とは売買契約締結後、引渡しまでに受領する金銭をいい、中間金・内金等も含まれます。
- ✅未完成物件: 業者が受領する手付金等の額が、売買代金の5%または1000万円を超える場合
- ✅完成物件: 業者が受領する手付金等の額が、売買代金の10%または1000万円を超える場合
- 上記の全ての制限は、買主も宅建業者であるときは適用されません。
買主様が手付放棄して解除するにあたり、正当な理由なく、その解除を拒むことは宅建業法違反です。
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